役員 (Nam): 部長、EUの炭素国境調整措置、いわゆるCBAMの本格適用がいよいよ迫ってきた。我が社の主力である産業用アルミ構造部品が対象品目に指定されたわけだが、欧州の現地法人から、次期四半期までに原材料調達から加工に至る炭素排出量の精密な第三者検証データの提出が契約継続の絶対条件だと通告された。どう対応する?
部長 (Nữ): 自社工場内のScope1とScope2の排出量については、先月導入したエネルギー管理システムで把握できております。ただ問題は、部材供給元の製錬メーカーや鍛造工場からなるサプライチェーン全体のScope3、すなわち原材料の内包炭素排出量です。ここが曖昧な推計値のままでは、EU税関で莫大な炭素賦課金が課されるか、最悪の場合、通関差し止めになります。
役員 (Nam): その通りだ。排出権を購入して帳尻を合わせるような安易なオフセットはCBAMでは認められていない。取引先への価格転嫁を検討するにしても、正確なデータなしには議論すら始まらない。上流のサプライヤー企業への周知とデータ収集体制の構築を急がねばならないな。
部長 (Nữ): はい。でしたら、まずは主要な一次サプライヤー約30社を対象に、国際基準であるGHGプロトコルに準拠したScope3排出量の精密算定ガイドラインとデータ記入フォーマットを策定し、直ちに展開します。これによって各工場の実測データの吸い上げを最優先で開始いたします。
役員 (Nam): うむ、それで頼む。来週頭にはサプライヤー向けの説明会を開催できるよう手筈を整えてくれ。